【脳の回復には、睡眠より「刺激」】

脳神経外科医、東島威史(たけふみ)氏の心に響く言葉より…

脳はもともと、「刺激を処理するためにできた臓器」と言える。

そして、壊れてしまわない限りは、簡単に電源をオフにはできない。

たとえ寝ていたとしても。

基本的には刺激を入れないと、行き場のない情報処理機能が暴走してしまう。 

だから脳のためだけを考えるなら、「眠らずに刺激を感じ続け、心拍数を上げ続けたほうが若さは保てる」となる。 

ただし、 いっさい体を休ませず、眠らずに心拍数を上げ続けたら、寿命は確実に縮まる。 

体のためを考えたら、睡眠は絶対に必要だ。

そこで「睡眠という体のための休息」と「脳のためになる刺激」を分けて考えてはどうだろう、ということだ。 

読書という行為は、脳に対して特別な刺激を与える。 

実際にどのくらい読書が役に立つかというと、台湾で65歳以上の約2000人を14年間追跡した研究では、週に1回でも読書をした人は、 認知機能低下のリスクが46%低下するという結果だった。

これには教育レベルは無関係であった。

他の研究でも同様に、どんな人であろうと読書をすれば認知機能低下を予防できるという結果だった。 

また、イタリアの公的な認知症の研究プロジェクトである TRELONG(トレロング) 研究では、 読書、身体活動、社会交流が認知症予防の三本柱であった。

この研究では、 MMSE (Mini mental State Examination) という30点満点の認知症テストのスコアで、読書習慣のある人は平均27点、ない人は平均24点と非常に大きな差を報告している。 

読書は手軽に取り組める、脳を鍛える有効な手段だ。

非常に広範な知的活動に関連する部位を同時に刺激し、それらを統合する前部帯状回も強く刺激し、脳の知的活動を大きく強化することができる。

『不夜脳(ふやのう)』サンマーク出版
https://q.bmd.jp/91/119/7169/1495

脳の回復には睡眠より「刺激」の方が有効だという。

つまり、そんなに長く眠らなくても「脳」を刺激して鍛える方法がある、と。

たとえば、知的刺激。

読書や、語学の習得。

特に、語学を学ぶと「左脳」も「右脳」も活性化する。

認知症の予防にもかなりの効果がある。

いままで学校には行けなかった人も、学歴が低かろうと、第二言語を使う人たちは、認知症になりにくいという研究がある。

大事なのは「新しい刺激」を脳に与えること。

これは語学だけに限らない。

様々な習い事も同じだ。

他には、身体的刺激。

ウオーキングなどの有酸素運動。

そして、骨を刺激する「ジャンプ」で記憶力が改善する。

興味深いのは、「ポケモンGO」などのゲームも脳を鍛えるのに、最強のゲームなのかもしれないという。

「定期的にポケモンGOを行う人は海馬の体積がやや大きい」「空間記憶タスクのテスト結果が良好」という報告もあるからだ。

『脳の回復には、睡眠より「刺激」』