「大学の先にある未来」を知ろう― 志望校が決まらない人へ、大学受験を「将来」から逆算してみよう ―
はじめに
こんにちは、東進の担任助手の坂本です。
8月に入り、夏休みもいよいよ後半戦に差し掛かってきました。受験生にとっては、夏休みの学習をどれだけ充実させられるかが重要な時期です。
今回は「就職人気企業ランキング」と「人気企業に多くの学生を送り出している大学」をテーマに、大学選びについて考えてみたいと思います。
日々、生徒の皆さんと面談をしていると、「まだ志望校が決まっていない」「大学で何をしたいのか分からない」「そもそも将来どんな仕事があるのか知らない」という声を聞くことがあります。志望校が決まらないと、受験勉強の目的も見えにくくなり、なかなかモチベーションが上がらないこともあります。
そこで今回は、少し視点を変えてみます。
『大学→就職』という順番だけで考えるのではなく、『将来やってみたい仕事→その仕事をしている企業→その企業で働くためにどんな大学・学部を目指すか』という逆向きの考え方です。
まずは、今人気の企業を知ってみよう!
就職人気企業ランキングは、「実際にどの企業が自分に合っているか」を決めるものではありません。しかし、世の中にどんな企業があり、大学生がどんな仕事に興味を持っているのかを知る入口としては、とても参考になります。
2027年卒・就職企業人気ランキング(一例)
| 区分 | 1位 | ポイント |
| 文系 | ニトリ | 4年連続1位 |
| 理系 | 味の素 | 前年2位から1位へ |
マイナビ・日本経済新聞の2027年卒調査では、文系はニトリが4年連続1位、理系は味の素が1位となりました。文系ではセガ・トヨタ自動車・Skyが新たにトップ10入りするなど、人気企業にも変化が見られます。
また、2027年卒の別の調査では、文系男子で伊藤忠商事が7年連続1位となり、上位5社を伊藤忠商事、丸紅、三井物産、住友商事、三菱商事という総合商社が占めました。
※ランキングは調査会社・対象者・調査時期によって順位が異なります。ランキングはあくまで「人気」を示す指標として捉えましょう。
では、人気企業にはどんな大学の学生が多いの?
ここで重要なのが、「企業の採用実績」です。
例えば大学通信オンラインの2025年データを見ると、三菱商事では東京大学32人、早稲田大学24人、慶應義塾大学19人などが上位に入っています。一方で、九州大学からも2人が就職しています。
また、AGCでは慶應義塾大学11人、東京大学・大阪大学・早稲田大学が各9人、九州大学も7人となっています。
このようなデータを見ると、『この企業にはこの大学の卒業生が多い』という傾向を知ることができます。ただし、これは『この大学でなければその企業に入れない』という意味ではありません。採用人数は大学の規模、学部構成、大学院進学率などにも左右されますし、企業ごとに採用方針も異なります。
大学選びは「偏差値」だけで決めない
受験生の皆さんに伝えたいのは、大学選びを『偏差値の高い大学に行けばいい』だけで終わらせないことです。
例えば、将来メーカーで研究開発をしたいのであれば、理系学部・大学院で専門知識や研究経験を積むことが重要になる場合があります。一方、商社・金融・コンサルティングなどを目指すのであれば、学部を問わず幅広い選択肢があります。IT・データサイエンス・半導体などの分野では、情報系・理工系の専門性が進路につながるケースもあります。
つまり、『どの大学に行くか』だけではなく、『大学で何を学び、どんな力を身につけるか』まで考えることが大切です。
志望校が決まらない人へ:まずは「仕事」から考えてみよう
「将来の夢がありません」という人も、無理に今すぐ一つに決める必要はありません。
まずは、次の3つを調べてみてください。
- ① 気になる企業を3社選ぶ:メーカー、商社、IT、金融、食品、航空、エネルギーなど、興味のある分野から選ぶ。
- ② その企業でどんな仕事があるか調べる:営業、研究開発、技術、企画、経理、人事、システムなど、同じ企業でも仕事は様々です。
- ③ その仕事に就いている人が、どんな大学・学部を卒業しているか調べる:大学の就職実績や企業の採用情報を確認する。
ここまで調べると、『この仕事ちょっと面白そう』『この分野を大学で勉強してみたい』という興味が生まれるかもしれません。その興味が、志望学部・志望大学を考えるきっかけになります。
そして、今の勉強につなげよう
将来について調べることは、単なる「就職研究」ではありません。
例えば、『この大学に行って、この分野を学びたい』『この企業の仕事に興味がある』という目標ができれば、今やっている英単語、数学の問題、国語の読解などが、少しずつ「未来につながる勉強」に変わっていきます。
もちろん、志望校や将来の仕事は途中で変わって構いません。大切なのは、何も知らない状態で悩み続けるのではなく、情報を集めて、自分で選択肢を増やしていくことです。
最後に
大学受験は、ただ「大学に合格するため」のものではありません。
大学は、その先の学びや仕事、そして自分がどんな人生を歩みたいかを考えるための大きな分岐点です。
まだ志望校が決まっていない人は、焦って一つに決める必要はありません。まずは「どんな企業があるのか」「どんな仕事があるのか」「その仕事に就くには何を学べばいいのか」を知ってみましょう。
知らないものは、目標にすることができません。
だからこそ、まずは知ることから始めてみてください。
そして、少しでも『ここに行ってみたい』『こんな仕事をしてみたい』と思えるものが見つかったら、その気持ちを今日からの勉強の原動力にしていきましょう。
東進では、皆さん一人ひとりの将来や志望校について一緒に考えていきます。『まだ何も決まっていない』という人こそ、ぜひ担任助手や先生に相談してください!


